スキャルピングFXのコツ
FXのスキャルピングはトレードの環境作りから
まだ口座開設をしたばかりの初心者の人でも、スキャルピングという言葉を一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。スキャルピングとは、FXトレーダーの中でも人気がある手法のひとつで、小さな値幅をたくさんとっていくことで利益を上げる手法を指します。そんなスキャルピングを極めるために、まず最初に必要となるのは、「トレードの環境作り」です。
スキャルピングという手法は、限られた時間の中でより多くのトレードをこなすことが前提となっています。そしてそれらのトレードを円滑に進めるためには、「高速で安定したインターネット回線」が欠かせません。どんなに素晴らしいトレード手法を使ってスキャルピングを実践したとしても、インターネット回線が弱いせいで注文が約定しなければ、そこから得られる利益は絵に描いた餅でしかないのです。
もしもインターネットの回線速度や安定感に不安がある場合は、実際に口座開設をする前にそちらから見直しを済ませた方がよいでしょう。さらに、トレードする際に使用するデバイスについても注意が必要です。たとえば、型が古く処理速度の遅くなったPCを使ってスキャルピングを実践するのは、お世辞にもおすすめだとはいえません。
なぜなら、注文時にマウスをクリックした瞬間と、実際に注文が出される瞬間との間にラグが発生する可能性があるからです。ある程度のスリッページが許容されるスワップポイント狙いのトレードなどと比べ、スキャルピングにおいての大きすぎるスリッページは、取引の結果に致命的なダメージを与えてしまいかねません。
したがって、もしもトレードに使用しているデバイスの動作が怪しい場合などは、なるべく新しいものに買い換えてから実戦に臨むようにしましょう。このように、トレードの環境作りはスキャルピングを行う上で重要な戦略性を持っていますので、事前のチェックは手を抜かずに済ませておいてください。
スキャルピングのFX業者選びは慎重に
スキャルピングに備えて環境作りを完璧に終えたら、次はいよいよ口座開設のステップに進みます。一刻も早く口座開設を済ませてトレードを始めたい気持ちはわかりますが、ここでもまだ心にブレーキをかける必要性があるでしょう。なぜなら、スキャルピングをメインのトレード手法として用いるケースでは、この口座開設こそが最重要ポイントになるからです。
これはFX初心者の人だけではなく、ある程度トレード経験のある人でも勘違いしていることが多いのですが、スキャルピングという手法は全てのFX業者が認めているわけではありません。サーバーに負荷がかかりすぎる点などを理由に、短時間での多すぎる取引を禁止している業者も存在するのです。もちろんその規制は、サーバーや多くのトレーダーを守るために行っているものですから、ある意味仕方がないものかもしれません。
しかし、スキャルピングをメイン手法とするつもりなら、そういった業者での口座開設は回避すべきです。FX業者を選ぶ際には、ついスプレッドやスワップポイントだけに目が行きがちですが、スキャルピングを実践していくのであれば、もっと違った視点からの選択が必要になります。それは、まず第一にスキャルピングを許可していること、そして第二に約定力が優れていることです。
さまざまなFX業者を比較してみると、むしろスキャルピングを歓迎している業者も比較的簡単に見つけることができます。さらに実際に発生したスリッページの度合いを公開している業者もたくさんありますし、そういった業者の中から実際に口座開設するところを選べば、いざトレードを始めたときに困ることもありません。
特に初心者の人は業者選びに時間をかけたがらないものですが、スキャルピングの戦略的部分を考える上で、そこは妥協してはいけないポイントになります。選ぶのが面倒だと感じても決して手を抜かずに、自分が納得できる業者で口座開設するようにしましょう。
スキャルピングのトレード手法はなるべくシンプルに
スキャルピングに適したFX業者で口座開設を済ませたら、次は具体的な戦術を練っていきます。いわゆるトレード手法を固めるわけですが、このとき最も重視しなければならないのは、「トレード手法がなるべくシンプル」である点です。スキャルピングという手法はその特性上、成行注文を出すことが多くなります。チャート上に現れた一瞬の勝機を見逃さず、素早くトレードを行うことが求められるのです。
では、もしもトレード手法が複雑で、実際に注文する前に確認しなければならないポイントがたくさんあったとしたらどうなるでしょうか?たとえ理論上はたいへん優れたトレード手法だったとしても、そんなルールは実戦で全く機能しません。なぜなら、トレード条件などを確認している間に、一瞬の勝機が消えてしまっていることがほとんどだからです。
スキャルピングに用いる手法は、スピードを何よりも重視しなければなりません。つまり、じっくり確認をしなくても感覚的にトレードできるものでなくてはならないのです。ですから、たとえば用いるテクニカルとしては、移動平均線と数種類のオシレーターなど、できるだけシンプルで直感的に扱えるものに絞る必要があるでしょう。
さらに、スイングトレードやデイトレードなどを行う場合は基本的に「利大損小」を目指しますが、スキャルピングについてはその限りではありません。スキャルピングで目指すべきは「利小損小」であって、一度で得られる利益については欲張るべきではないのです。
その代わりにトレード回数を増やし、できる限り勝率を上げ、そのことで一度に得られる利益が少ない分をカバーします。これはスキャルピングの戦術面で最も重要なポイントになりますので、決して忘れずに頭に入れておくよう心がけてください。
FXのスキャルピングに鉄のメンタルは必須
スキャルピングで利益を上げ続けていくために絶対必要なのは、「鉄のメンタル」です。スワップポイント狙いやポジショントレードのように、ある程度時間的余裕がある中で取引を重ねていくのとは違って、スキャルピングではすぐに結果が目の前に叩きつけられます。そして当然のことながら、運悪く連敗してしまうケースもあるわけです。
短時間のうちに連敗をしてしまうと、どうしてもメンタルは大きく揺らぎます。ましてや初心者の人であれば特にそういった心のダメージに慣れていませんから、揺らぎ方はさらに大きくなってしまうでしょう。しかし、そこでトレード手法を変えようなどと考えてはいけません。ある程度長期に渡ってトレードした結果が良くないのであれば、手法を変えることも検討しなければならないでしょう。
ただそうでない限りは、簡単に手法を変えることはおすすめできません。スキャルピングに用いる手法は勝率の高いものでなくてはなりませんが、それでも何度か続けて負けてしまうケースは珍しくないのです。ですから、その度に手法を変えてしまうようでは、むしろ長期的な結果を悪化させてしまいかねません。スキャルピングを実践していくのであれば、とにかく淡々と作業をこなす感覚で続ける必要があります。
極端にいえば、あなた自身が機械になりきってトレードすることが大切なのです。スキャルピングで一度に得られる利益は、お世辞にも大きいとはいえません。しかも負けが続くときは普通に続きますから、あまり利益が得られていないような感覚に陥るでしょうし、そのことがメンタルに大きな負担をかけることもあるでしょう。
しかし、そんな現実に負けてはいけません。たとえ一時的に損失が続いたとしても、鉄のメンタルでその時期を乗り越え、最終的に利益になっていればそれでよいのです。どんな状況に置かれても長期的な視点を忘れることなく、メンタルを上手に操ってスキャルピングを続けてください。