FX関連の書籍やブログなどをフル活用する
FXでオリジナルのトレードルールを作ってみたいと思う人はたくさんいるものです。しかし実はその大半が、そもそも「トレードルールを作成する手順を知らない」のです。たとえばFX業者で初めて自身の口座開設を行うとき、そういった初心者の人はまず何を確認するでしょうか？それは、口座開設の手順です。
口座開設のためにはどのような情報を入力すればよいのか、業者に提出しなければならない書類には何があるのかなど、ほとんどの人たちはそれらをインターネットなり書籍なりで調べ、しっかりと確認を済ませた上で口座開設を行います。しかし、なぜかトレードルールを作成する段階になると、その手順をスキップしてしまう人が非常に多いのです。
自分の頭の中ではすでに手法が出来上がっている…と考えて手順を短縮してしまうのかもしれませんが、それは明らかな誤りであり、FXトレードを少し甘く見ている証拠であるともいえるでしょう。たとえばスワップポイントの獲得をメインとした手法を作成するとしても、その内容がただ高金利通貨をロングするだけ…といったものでは、長い目で見た時に成功する可能性は低くなってしまいます。
自分がどのタイミングでエントリーするのか、または決済を行うのか、さらにそのルールの根拠となる部分を十分に詰めていかなければ、真の意味でのトレードルールは完成しないのです。そしてそのために最も重要となるのが、「FX関連の書籍やブログなどをフル活用する」という点になるでしょう。
FXトレードに限らず、株取引でも先物取引でも同じなのですが、まず基本を知ることが一番大切なポイントになります。もちろん書籍やブログの内容を全て鵜呑みにする必要はありませんが、トレードルール作成の基本については十分に学ぶべきです。特に初心者の人がこの手順を飛ばしてトレードを実践すると、損失を生む可能性が高くなってしまいますので、自身の手法を確立するためにも、必ず情報収集は怠らないようにしてください。
自分のライフスタイルに合った手法をピックアップ
書籍やブログなどを参考にして、トレードルールに関するある程度の知識を手に入れたら、次に実践すべきなのは「それらの手法の選別」です。どれだけ高いリターンをもたらす手法であってたとしても、それを自身が再現できないのであれば何の意味もありません。つまり自分が実行に移すことが不可能なトレードルールを、過剰にありがたがっても仕方がないというわけです。
FXトレードを専業にしているような人たちはともかくとして、大多数のそうでない人たちにとっては、必ずといってよいほど「時間的な制約」が存在します。常にチャートに張り付いているわけにはいかない、もしくはそうしたいと考えても実行できない人たちは、自ずとトレードルールについても制限を受けるものです。
ですから、そういった点を無視してトレードルールを作っても全く意味がありません。FXトレード初心者の人でもベテランの人でも、最終的な目標は「利益を積み上げること」ですから、自分のライフスタイルに合った手法を見つけるのが最良の選択となります。FX関連の書籍やブログをたくさん見ていると、どうしても利益率ばかりに目がいきがちですが、実は最重要ポイントはそこではありません。
最も大切なのは、「実際に自分が長くそのルールに従うことができるのかどうか」という点なのです。初心者の人が陥りがちな過ちとして、真っ先に挙げられるのはまさにこの点で、実際には「理想と現実をごちゃ混ぜにしたトレードルール」に翻弄される人たちが後を絶ちません。
したがって自身にとって無理のある手法を誤って取り入れないためにも、トレードルールとライフスタイルの関係性については、慎重になりすぎるぐらいの姿勢で検証するようにしましょう。
トレードルールは徹底的に検証を行う
トレードルールを自分の手で完成させるためには、「自らの手で徹底的に検証を行う」という工程が欠かせません。どうして自らの手で検証することが大切なのかというと、それは「手法に対する信頼度」にかかわるからです。たとえば、今目の前に大きなリターンが得られるトレードルールがあるとします。
ではそのルールの優位性を自ら検証していた場合と、他人が示していただけの場合とでは、実際のトレードにどのような違いが生まれるのでしょうか？少し言葉は悪くなりますが、他人がどれだけトレードルールの優位性を示していたとしても、「それがウソなのか本当なのか」は結局のところわかりません。
他人が検証で得られた細かい数値を示して信頼性を高めていたとしても、今度はその数値が本当なのかどうかがわからなくなります。つまり、他人がどれだけ精度の高い検証を行っていた場合でも、結局は「ルールを信じきれずに途中でトレードを中止してしまう」結果につながりやすいといえるのです。
以上の理由から、自らの手でトレードルールの検証を行うという手順は必須になります。たとえばメジャーなトレンドフォローの手法であっても、実際にトレードを行う際のスプレッドの影響や、スワップポイントによる収益の増減などにも十分に気を配らなくてはいけません。
さらにそれほど一般的には知られていないスワップポイント狙いを軸とした手法を用いるとしても、実際にそれが利益につながるのかどうかは、自分の手でバックテストやフォワードテストを行ってみないことにはハッキリしないのです。FXトレード初心者の人が取り違えやすいのはまさにこの点で、「実際に機能するトレードルールと机上の空論にすぎないトレードルールを見分けられない」部分が一番問題になります。
ルールの検証には数ヶ月単位での時間が必要になることもありますが、自分の手でそれを完成させるためには避けて通れない道ですので、確実にそういった手順を踏んでおくようにしましょう。
デモトレードや少額資金でのテストを実践
ここまで紹介した手順を一切スキップすることなくトレードルールを作成したら、次はいよいよ実践してみる段階に入ります。差益を重視したルールであればスリッページにもしっかりと気を配らなければいけませんし、長期的にスワップポイントを取りにいくようなルールでも、資金管理には最大限の配慮を払わなければなりません。
そしてそれらのデータをなるべくたくさん集め、今後のトレードに生かしていく必要があるでしょう。ただ、一点だけ注意して欲しいことがあります。それは、「必ずしも最初から全力でトレードする必要はない」という点です。FXトレードには、シミュレーションが欠かせません。どうしてかというと、フォワードテストが十分でないうちに大きすぎる資金を投入すると、あまりにも高いリスクが伴うからです。
初心者の人はトレードを始めるとすぐに目に見える利益を求めがちですが、実際のトレードでは何もかも上手くいくケースの方が圧倒的に少ないのが現実になります。どれだけ優れたトレードルールを使ったとしてもドローダウンは起こるものですし、損失を完全に回避することなどFXトレードにおいては不可能だからです。
そこで自分の手でトレードルールを作成する締めくくりとしてぜひともおすすめしたいのが、「デモトレードや少額資金でのテスト」になります。たとえ自分で作成したトレードルールでも、長期間に渡ってそれに従い続けるのは骨の折れる作業です。特に口座開設したばかりの初心者の人にとっては、実際のトレードを行う場合にそこが最も難しい部分になるかもしれません。
せっかく優秀なトレードルールを作成できたとしても、最初に大きなドローダウンに遭遇すると、すぐに疑心暗鬼になってしまうからです。したがって自分の手でトレードルールを作成した直後は、まずデモトレードで感触をつかみ、次に少額の資金を投入してリターンを確認する手順を踏むようにしてください。
